EDR(イベントデータレコーダー)やCDR(クラッシュデータリトリーバル)は、交通事故の真相解明に欠かせない重要な技術です。専門用語が多くて難しく感じる方も多いですが、本記事ではそれぞれの用語をわかりやすく整理しました。事故調査、保険、法的対応に関わる方々にとっても役立つ内容です。
EDR(イベントデータレコーダー)用語集
イベントデータレコーダー(EDR)
車両に搭載され、事故の直前・直後の車両挙動を記録する装置。速度、ブレーキ操作、アクセル開度、エアバッグ展開のタイミングなどが記録される。自動車の「ブラックボックス」とも呼ばれる。
記録イベント
EDRが記録する事故や急制動などの特定の事象。代表的なイベントは前方衝突や急減速、エアバッグ展開など。
記録時間範囲
EDRに記録されるデータの時間的範囲。多くは事故前の約5秒と事故後の0.5秒~数秒程度が記録される。
車両ダイナミクスデータ
車両の動きに関するデータ。速度、加速度、ヨーレート(旋回速度)、ハンドル角度などが含まれる。
EDR義務化
国や地域によっては、一定基準を満たす新車にEDR搭載を義務付けている。米国では事実上の義務化、日本では一部車種で段階的に導入中。
EDRのプライバシー
EDRデータは車両所有者のプライバシーに関わる情報を含むため、アクセス制限や同意が必要とされることが多い。
CDR(クラッシュデータリトリーバル)用語集
クラッシュデータリトリーバル(CDR)
EDRに記録されたデータを読み出し、解析するための専用ツールとソフトウェアの総称。ボッシュ社のCDRツールが世界的に標準となっている。
CDRツール
EDRデータを取得・解析する専用ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ。対象車種に応じたコネクターが必要。
CDRレポート
CDRで取得されたデータをもとに作成される解析報告書。速度、ブレーキ、アクセル、エアバッグ展開などの時系列データが含まれる。
CDR対応車種
CDRでデータ抽出が可能な車種。メーカーやモデルによって対応状況が異なるが、日本車・米国車を中心に対応範囲が拡大している。
CDR認定技術者(CDR Technician)
CDRの操作とデータ解析に必要な技術と資格を有する者。米国などでは公的な認定制度があり、事故解析の専門家が多く活用している。
CDRソフトウェアアップデート
新しい車種への対応や不具合修正を行うためのソフトウェア更新。定期的なアップデートにより解析精度が向上している。
まとめ
EDRとCDRに関する用語を理解することは、交通事故の真相解明や法的対応において非常に重要です。特に、保険会社・警察・法律関係者・技術者・一般ドライバーにとっても、基本的な理解が今後ますます求められる分野です。本用語集を通じて、EDR・CDRの理解が深まり、正確な情報に基づいた判断が可能になることを願っています。